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ベン・スタークのオルゾフ・ドラフト

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 ベン・スターク/Ben Starkはオルゾフ・ギルドの愛好家だ。

 ベン・スタークが世界最高のリミテッド脳を有するひとりであることは実に広く知られているので、君たちが《重要人物のペット》や《聖堂の金切り声上げ》を積極的に取りにいくのも頷けるというものだ。

 だから、今大会のスターたちが並ぶ第2ドラフトで、スタークが嬉しそうにオルゾフへ滑り込んだときの私たちの喜びはご想像いただけるだろう。


ベン・スタークは、ブースター・ドラフトでは開封したものへ対応が素晴らしい。
しかし、2日目で彼のオルゾフ好きが明らかになった。

 ポール・リーツェル/Paul Rietzlと違い、スタークはドラフトでギルド決め打ちはしない。ボロスもお気に入りのギルドだと思っているが、彼はいつもドラフトの流れを読み、自分が有利に立てる位置へ収まるようにしている。それでも彼は、オルゾフが好みであることをはっきりと示した。

「ボロスと一緒で、深みのあるギルドなんだ」と彼は言う。「8人ドラフトでは、オルゾフかボロスをドラフトする人は2人まで許容できる。その一方で、普通ならディミーアとグルールとシミックが許容できるのは1人ずつだ。合計すると7人なんだけど、そこにアイデアがある」

 スタークは《忌まわしい光景》から《殺意の凝視》と続けてピックし、自身がオルゾフにいることに気がついた。彼はその後《ヴィズコーパのギルド魔道士》が2枚流れてきたのを受け取り、その後のパックでも白のカードがいくつも流れてくるので、対戦相手を強請する方向に固めた。

 ひとたびねらいを定めたら、軽い呪文を優先させて、何をするにも強請するようにしたんだ、とスターク。軽い呪文は強請持ちが多ければその価値を増すんだよ。スタークはそう言葉にした。

「すべての呪文に『2点のダメージを与え、2点のライフを得る』って書いてあるなら、それだけで超強力で、そのカードが何をするのかはほとんど問題じゃないよね。対戦相手は長生きできないと思うよ」

 彼のトップ5コモンは以下の通り。

スタークのトップ5コモン

1位 《忌まわしい光景

2位 《強打

3位 《徴税理事

4位 《重要人物のペット

5位 《聖堂の金切り声上げ

 他の4枚と比べると《聖堂の金切り声上げ》は少し落ちるかな、とスターク。彼は、それでも取れるだけ取って使うと思うよ、と続けた。軽くて、何よりも強請を誘発する呪文は、このデッキの生きるための糧なのだ。

 だがしかし、コストの高い強請持ちは、それが十分使えるものであっても、スタークはあまり期待しない。《組織の処罰者》はスタークの求めるものではないが、使うであろう(そして実際に使っている)カードだ。同様に、《突撃するグリフィン》はスタークが多くの場合で使うと思われるカードだが、他の環境ではオールスター入りするこのカードも、彼の求めるものではない。

 いったいどれほど、スタークはコストの高いカードを忌避するのだろうか? 3パック目のピック1、スタークは本当に欲しいオルゾフのカードを1枚も目にしなかったが、そこには十分使える《門なしの守護者》があった。問題は、彼はすでに5マナ域を《門なしの守護者》込みで2枚取っていて、もう1枚はいらないことだった。他にオルゾフのカードが無い中で、彼は《一族の誇示》をカットするか真剣に悩んだ。


他に選ぶものが無いときは、自分のギルドに合わせよう。

 そう、多くの、本当に多くのドラフト・プレイヤーが喜んで《一族の誇示》をカットするだろう。《門なしの守護者》を取って満足する人も多くいるだろう。だが、大抵の人たちはベン・スタークではないのだ(実際にそうだ)。スタークは長い間、基本的にカットを嫌い、それを避けてきた。スタークならこう言うだろう。ドラフトにおいてある特定のタイミングで特定のカードを使われる確率は低いんだ。他のデッキをいくらか傷つけるよりも自分のデッキを高めた方が良いくらいにはね、と。その一方で、5マナのカードは、複数あるなら特に、この環境では間に合わないことが多く、強請ともうまく噛み合わないことをスタークは知っている。

 結局、スタークは《門なしの守護者》を取ることにした。彼の言によれば、ボロス的なものに対して安心できるカード、ということだ。これが彼のメイン・デッキを整えた。

 スタークが多くのドラフト・プレイヤーと異なり、《聖堂の護衛》をあまり好まない、という点も興味深い。使うことは多いカードかもしれない(今回のドラフトでも使っている)が、シミックやディミーアのように実質ブロックできない相手に対しては弱く、スタークはサイドボードに残してボロスやグルールのような素早いデッキに対して投入するのを好んでいるのだ。

 それでは、今回のドラフトのスタークのデッキを見てみよう。


 スタークが《死体の道塞ぎ》のようなカードを使うことなくマナ域をできる限り低い方に集めていることに注目して欲しい。例えば、《果敢なスカイジェク》という典型的なボロス向けのカードを採用しており、彼はそれに満足している、と言うのだ。

「2マナ域は手に入れたものを全部使うといいよ」と、スターク。「序盤には、《果敢なスカイジェク》はボロスの序盤に出たものと交換が取れて、5ターン目か6ターン目くらいには空から殴ることもできるからね。俺はいつもこいつを使うんだ。こいつがサイドボードにいることなんてないと思うよ」

 2マナ域のうちのもうひとつが、彼のデッキ構築の方法に大きな影響を及ぼしていた。いや、もうひとつ、と言ったがそれは2枚だ。《ヴィズコーパのギルド魔道士》たちは、実に厳しい色拘束を持っていて、2ターン目に出るにはきっかりWhite ManaBlack Manaが必要になる。スタークは2ターン目にそれらを出せるチャンスを最大化するために、思いがけず手に入ってタッチできそうだった《炎まといの報復者》を使うことができなかった。

「この環境ではタッチするほどの価値があるものは少ないけれど、《炎まといの報復者》はタッチしたいもののひとつだ。このカードはとんでもないよ。1枚でも《ボロスのギルド門》を取っていたら山2枚と一緒に入れただろうね。でも、3パック目には見られなかった。そんなわけで、今回のデッキに関しては2ターン目に《ヴィズコーパのギルド魔道士》を出す必要があるから、うまくいかなかったんだ。別の構成だったら、絶対使うよ」と、スタークは言った。

 今回の形は実にうまく働いた。スタークはポール・レニ/Paul Renieとエリック・フローリッヒ/Eric Froehlichを乗り越えて成績を9-1としている。残りの1戦がうまくいけば――うまくいかないとは考えられないが――オルゾフはスタークのトップ8へ押し上げることになるのかもしれない。

 今回の話の教訓だって? ベン・スタークはドラフトを知っている。注意せよ。


(Tr. Tetsuya Yabuki)

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