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第14回戦:投資の利益は無し
Pat Cox(アメリカ) vs. 渡辺 雄也(日本)

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パット・コックス/Pat Cox(ジャンド・ミッドレンジ) vs. 渡辺雄也(青白赤ギデオン)

 両プレイヤーとも8-5とトップ8争いからは離れてしまったものの、ここにマジック世界王者がフィーチャー・マッチ・エリアに君臨する最初の機会が来た。渡辺雄也はこの週末、最高のスタートが切れたとは言い難いが、本日のスタンダード・ラウンド5回戦を2-0でスタートしていることも含め、激しい戦いの中で調子を取り戻している。彼の対戦相手であるパット・コックスも同じような状況にあり、しっかりしたスタンダードの成績で勝ち星の少なかったドラフト・ラウンドを補ってきた。

「ドラフトがうまくいきませんでしたよ」と、コックスが渡辺に話しかける。「初戦が不戦勝で、そのあと2-3。もうガッカリ」そう言うと、彼は渡辺と一緒に笑った。両者ともこの週末でうまくスタートを決めることができなかったが、今は力強く走り、プロ・ポイントの獲得のため高い順位を目指しているのだ。

パット・コックスと渡辺雄也はドラフト・ラウンドでは厳しい道をたどってきた。
しかし今回は、彼らの構築デッキが力を与えてくれる。

ゲーム1

 コックスがダイスに勝ち、先手を取った。

 両プレイヤーとも、最初の数ターンを色を揃えることから始めた。先手の利点を活かし、コックスが3ターン目《ヴェールのリリアナ》を着地させる。渡辺は《熟慮》を唱えてから覚悟を決め、土地を捨てることにした。渡辺がもう1枚土地を捨てるのに対して、コックスは強力な脅威を次々と捨てていく。何せ《ラクドスの復活》に続き《オリヴィア・ヴォルダーレン》だ。それでもなお、彼は《高原の狩りの達人》を自軍に加え、ボード・アドバンテージを増すことができた。渡辺は《高原の狩りの達人》に《灼熱の槍》を当て、それを《瞬唱の魔道士》でフラッシュバックして《ヴェールのリリアナ》の忠誠度を3減らした。

 コックスは攻撃を始めた。渡辺は《瞬唱の魔道士》を交換には出さず、2点のダメージを受けてライフが18になった。2枚目の《高原の狩りの達人》が再びコックスの戦線を埋めると、渡辺はターニング・ポイントが急速に近づいていることを感じ取った。それは《正義の勇者ギデオン》という形でやって来た。第1の能力を起動するなり、《正義の勇者ギデオン》はその忠誠度を8まで引き上げた。ギデオンが奥義を準備するにはまだ数ターンが必要だ。渡辺はそれを実現する道を見出さなければならなかった。

マジック世界王者渡辺雄也は、《正義の勇者ギデオン》と同盟を結んだ。

 コックスは落ち着いてアンタップし、その後渡辺を一気に攻め立てて巻き返しの希望を打ち砕いた。まず《死の重み》が唯一渡辺を守る《瞬唱の魔道士》を除去した。それからコックスの軍団が攻撃して《正義の勇者ギデオン》の忠誠度を2まで落とす。とどめに、コックスは手札の最後のカード、《ラクドスの復活》を渡辺へ差し向けた。渡辺は全ての手札を捨てさせられ、ダメージは《正義の勇者ギデオン》を倒すために移し替えられた。防御に使える《修復の天使》をトップデッキした渡辺だったが、それは《夜の犠牲》で落とされ、コックスがゲームを終わらせる道を開いたのだった。

コックス 1-0 渡辺

ゲーム2

 渡辺が素早く初手を受け入れたのに対して、コックスはわずかに確信が持てないようだった。最終的にキープすることに落ち着き、彼は後手ながら盤面へ先手を打った。彼の《死儀礼のシャーマン》は、渡辺のデッキに潜む《瞬唱の魔道士》との戦いにぴったりで、自軍のクロックを上げるのにもうってつけだ。渡辺は、2ターン目に《ボーラスの占い師》が惜しくもカードを持ってくるのに失敗すると、フーッと息を吐いた。コックスはマナ加速にターンを費やし、《遥か見》2枚で土地を増やしたが、手札から土地を置けず、土地の枚数は通常と同じだった。彼の《強迫》が次のような手札を見せる。




 コックスは唯一の対象である《至高の評決》を抜き、渡辺にターンを渡した。だが、この日本の一流選手が優位を取るためにできることは多くなく、ドローしてエンド、さらに次のターンも繰り返しだった。コックスは5枚目の土地を引き込み、最初の大型攻撃手、《スラーグ牙》をプレイした。渡辺は《熟慮》で少しライブラリーを掘り進めるが、それをフラッシュバックするだけだった。そこで彼は6枚目の土地である2枚目の《聖なる鋳造所》を引き込み、それをアンタップ・インしてターンを返すと、コックスの注意を引いた。

 コックスは攻撃に出る。渡辺が土地を4枚倒して《修復の天使》を唱えたそのとき、渡辺は2マナのインスタントを構えていたのだと明らかになった。渡辺は明滅した《ボーラスの占い師》の能力を再び失敗し、それから《修復の天使》を《スラーグ牙》の前に突き出した。ダメージが解決される前に、コックスはそれを《夜の犠牲》で除去した。渡辺はそれを通す前に考えた。戦闘後コックスが《ヴェールのリリアナ》を繰り出すが、渡辺は《否認》でそれを退けた。依然としてダメージは与えられ続けた。渡辺のライフは11になり、毎ターンさらに失う危険があった。渡辺は彼のターンに《ボーラスの占い師》と、肝となる《ボロスの反攻者》で盤面を補充した。守りはしっかりしてきたところで、《修復の天使》で攻撃し、コックスにターンを返した。

コックスは彼のジャンド・デッキに何ができるのかを見せた。

 コックスは《ボロスの反攻者》に向かって攻撃するのは避けた。ましてや渡辺は《ボロスの反攻者》に先制攻撃を付与するのにマナは十分ある。そこで、彼は渡辺に《ラクドスの復活》をX=3で撃ち込み、渡辺のライフを8にした。続く数ターンにわたって、最初のターンに出した《死儀礼のシャーマン》がソーサリーからインスタントも食べて大活躍し、1回につき2点のダメージで渡辺のライフを0にした。

 渡辺は声を出して笑い、この最終ゲームでことごとく失敗した《ボーラスの占い師》たちを指差した。

「わかります」と、コックスが共感する。「私もしばらくそのデッキを使っていましたけど、半分は失敗していました」

 渡辺は笑顔で肩をすくめた。カードがときどきそんな風に失敗することは理解している。彼はコックスに「グッドラック」と告げると、フィーチャー・マッチ・エリアを後にした。

コックス 2-0 渡辺


(Tr. Tetsuya Yabuki)


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