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準決勝:回り回れぬコントロール戦
Joel Larsson(スウェーデン) vs. Ben Stark(アメリカ)

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ヨエル・ラーション/Joel Larsson(青白赤フラッシュ) vs. ベン・スターク/Ben Stark(エスパー・コントロール)

 ヨエル・ラーションの名は様々な形で知られている。TwitchTVの有名配信者。2012年最高のリミテッド勝率を誇るプロ。ブライアン・キブラー/Brian Kiblerと大の仲良し。そして本当は、プロツアー・チャンピオンとして知られたいと思っている。そんな彼の対戦相手であるベン・スタークはそれがどんなものか知っていて、もう一度トロフィーを掲げる準備は万全なのである。

 今回のマッチアップでは、多くの青白ベースのマッチアップ同様、《スフィンクスの啓示》を中心に回り、第1ゲームでは特にそれが顕著だ。純粋なコントロールの役割を担うなら、スタークのデッキの方がより適している。しかし、サイドボード後はラーションが《聖トラフトの霊》という強大な脅威を利用でき、スタークに対応を迫ることでタップ・アウトの隙に《スフィンクスの啓示》を使い、手札を満たすことができる。

ヨエル・ラーションはプロツアー初勝利を求めているが、決勝の座を得るにはまず、プロツアー・パリ2011の覇者、ベン・スタークを乗り越えなければならない。スタークのエスパー・コントロール・デッキは、乗り越えるには厳しすぎる障害のひとつであろう。

ゲーム1

 ゲーム序盤はめまぐるしく進んだ。ラーションがスタークに《灼熱の槍》を撃ち込み、それから《ボロスの反攻者》を召喚した。スタークは《至高の評決》でそれに対処する。ラーションは5枚目の土地を置いてエンド。スタークも同じようにエンドすると、ラーションが《瞬唱の魔道士》で《灼熱の槍》をフラッシュバックするチャンスを得てスタークのライフを14にした。ラーションはアンタップ後、2点で攻撃した。

 スタークは土地を2枚タップし、《アゾリウスの魔除け》を能力の対象にした《瞬唱の魔道士》でブロックに入った。ラーションも土地を2枚倒すと、《勇壮の時》を唱えた。

「たまたまだよ」ラーションはにやりと笑い、そう言った。

勇壮の時》? なんだよこれ? イニストラード・ブロックのドラフトか?

 スタークは選択肢をじっくり検討して、《アゾリウスの魔除け》でラーションの《瞬唱の魔道士》をデッキの一番上に送ることにした。ラーションはスタークの《瞬唱の魔道士》を《火柱》で除去し、ターンを渡した。ラーションがほぼタップアウトしたので、スタークは自分のターンに気兼ねなく《スフィンクスの啓示》をX=3で使った。ラーションは《瞬唱の魔道士》で《火柱》をフラッシュバックするだけに留まり、ターンを渡す。

 スタークはマナを立たせておけるほどに余裕ができた。ラーションは《瞬唱の魔道士》を前進させるが、《修復の天使》にぶつかり、これを失った。彼は土地を置いて手札にカードを1枚残し、ターンを渡した。スタークは《修復の天使》で攻撃し、ゆっくりとラーションの打倒を始めた。《熟慮》がスタークの動きを支え続けた。ラーションがトップ・デッキした《ボロスの反攻者》にも《肉貪り》で対応した。あっという間にラーションのライフは6になり、その後このゲームは終わりを迎えた。

ラーション 0-1 スターク

 スタークは《劇的な救出》と《次元の浄化》、《熟慮》をサイドに落として、《払拭》と《強迫》、そして《否認》と換えた。一方ラーションは《イゼットの魔除け》、《火柱》、《勇壮の時》、《冒涜の行動》、《灼熱の槍》、それから《ボロスの反攻者》を2枚抜き、《聖トラフトの霊》4枚、《否認》2枚、《雷口のヘルカイト》2枚、《記憶の熟達者、ジェイス》、《心理のらせん》と換えるなど、大幅に変更した。

ゲーム2

 ラーションは初手を戻して6枚でキープした。スタークが《ボーラスの占い師》を召喚してその能力を失敗すると、彼は「うーん、これでおあいこかな」とつぶやいた。ラーションは手早くアンタップし、《聖トラフトの霊》を盤面に投入する。スタークにできることは無く、土地を置いてターンを返した。《ボーラスの占い師》のおかげで6点フルに喰らわずに済んだものの、1ターンに4点は馬鹿にならない。

ラーションは1ゲーム目を落とした後のゲームを、サイドボードのキーカードで始めた。《聖トラフトの霊》だ。

 ラーションは盤面に《ボーラスの占い師》を追加するが、当たりは引かなかった。スタークは《熟慮》を唱えたのち、アンタップしてドロー、《湿った墓》をタップ・インしてターンを渡した。ラーションは再び、今度は《ボーラスの占い師》も加えて攻撃し、スタークのライフを11まで落とした。スタークは《熟慮》をフラッシュバックし、アンタップを迎える。彼は土地を置いてターンを返した。エンド時にラーションが《修復の天使》をプレイした。スタークは《肉貪り》で対応し、《ボーラスの占い師》を卓から追いやった。

 ラーションはその圧力を維持して攻撃を繰り返した。スタークは《修復の天使》に《アゾリウスの魔除け》を使ってダメージを少し和らげたが、ライフは《聖トラフトの霊》のトークンに刻まれ続けた。ラーションは《記憶の熟達者、ジェイス》を呼び出し、自分のライブラリーを削りながらカードを引いた。スタークは様々な問題に直面することになった。彼は《スフィンクスの啓示》をX=3で撃ち、ラーションの更なる攻撃をかわした。それでもまだ《聖トラフトの霊》を取り払う方法は無かった。ラーションの《修復の天使》が再び姿を現し、攻撃に向かった。スタークも《修復の天使》を出したが、ラーションは大きなダメージを通せた。彼はとどめとなる《ボロスの魔除け》をスタークに放ち、スタークのカウンターを《否認》して勝利を得た。

ラーション 1-1 スターク

ゲーム3

 ラーションは再び6枚の手札でスタートした。スタークの2ターン目は《ボーラスの占い師》で、今度はきちんと仕事をして《スフィンクスの啓示》を持ってきた。ラーションも《ボーラスの占い師》をプレイし、《ボロスの魔除け》を手に入れた。両プレイヤーとも土地を置いてはターンを返し、《熟慮》と《アゾリウスの魔除け》をサイクリングした。そのうちお互いに土地が6枚ずつ並んだ。そこでラーションが《雷口のヘルカイト》を仕掛けた。スタークは手札が5枚あることを確認すると、《アゾリウスの魔除け》を使った。ラーションは普段なら解決させるところだが、このときは《送還》を使った。

 スタークはアンタップ後7枚の土地を立たせてターンを渡した。ラーションは再び《雷口のヘルカイト》を向かわせる。スタークは《究極の価格》を撃った。ラーションは《否認》を合わせるが、それをスタークが《雲散霧消》した。スタークはアンタップ後《強迫》し、《ボロスの魔除け》を捕らえて、それがもう1枚と《修復の天使》があることを確認した。《スフィンクスの啓示》をX=4で撃つ道は開けた。

 ラーションは攻撃を立て直すことにした。メインフェイズに《修復の天使》で《ボーラスの占い師》を明滅させ、《アゾリウスの魔除け》を手に入れた。スタークは受け身のプレイを続けた。ラーションは《アゾリウスの魔除け》でドローしたのちにアンタップを迎え、《修復の天使》で攻撃した。スタークも《修復の天使》を瞬速で出し、それが解決されると、明滅した《ボーラスの占い師》から《雲散霧消》を得た。彼は《修復の天使》でブロックし、ラーションから《灼熱の槍》を引き出した。ラーションの手札は残り3枚となった。

スタークは、彼のエスパー・コントロール・デッキが狙う長期戦に腰を据える。

 スタークは2体目の《ボーラスの占い師》を召喚し、《否認》を得た。《ネファリアの溺墓》は2枚とも起動でき、ライフ総量は余裕の24点だった。彼は念のためタップ・アウトには気をつけつつ、ラーションのライブラリーを削り始めた。スタークは《至高の評決》を仕掛けてみたが、それは《ボロスの魔除け》に「打ち消された」。もちろん、この省略表現は正しくなく、ふたりともスタークの《ボーラスの占い師》たちが破壊されることを忘れていた。しかし、このミスはすぐに修正された。

 ラーションは4点で攻撃し、手札2枚の状態でターンを渡した。スタークが「たぶん良い手札じゃないんだろ?」と言いながら《強迫》に向かうと、その2枚は土地と《瞬唱の魔道士》だった。スタークはターンを返す。ラーションは引き込んだ《雷口のヘルカイト》を投下した。それに対応して、スタークは2マナ残して《スフィンクスの啓示》をX=6で撃った。《雷口のヘルカイト》は通り、9点受けてライフは14になった。

 もちろん、スタークは《至高の評決》を引いていて、今やラーションの命は風前の灯だった。《ネファリアの溺墓》たちが迅速に仕事をこなしながらも、スタークは《心理のらせん》の可能性をしっかりと意識した。それが墓地に落ちるなりラーションは《瞬唱の魔道士》を繰り出すが、スタークはゲームを決める打ち消し呪文を構えていたのだった。

スターク 2-1 ラーション

ゲーム4

 再び、ゲームはゆっくりと始まった。両者ともドローを回し、土地を置き続ける。スタークの4ターン目の終わり、ラーションが《修復の天使》を送り出し、アンタップ後攻撃した。スタークが土地を2枚タップして《肉貪り》。ラーションは《瞬唱の魔道士》で対応し、それが解決された。彼は《アゾリウスの魔除け》を対象に取ったのち、その不運な《瞬唱の魔道士》を《肉貪り》の生け贄に捧げた。スタークは肩をすくめ、《アゾリウスの魔除け》で《修復の天使》を帰してやった。ラーションは《アゾリウスの魔除け》をフラッシュバックしてカード1枚に換えた。

 ラーションはカードを引き、《修復の天使》が飛び出すのを待った。スタークは《強迫》を撃ち、《スフィンクスの啓示》、《ボロスの魔除け》、《灼熱の槍》、《アゾリウスの魔除け》、《修復の天使》という手札を目にした。

「これはキツイ。《灼熱の槍》、とは言ってあげられないな」

 ラーションが手を貸して、前にもそうしたように考慮に入らないカードを別に置き、きちんと並べ直した。「あと、たぶん《アゾリウスの魔除け》も指定しないよね。ああ、もちろん《修復の天使》も」

 スタークは椅子にもたれかかって思案した。それから《ボロスの魔除け》を墓地に送った。ラーションは《アゾリウスの魔除け》をサイクリングし、《修復の天使》を瞬速で出した。アンタップ後3点で攻撃して、今引いた《ボーラスの占い師》を召喚すると、それは2枚目の《スフィンクスの啓示》をもたらした。スタークはそれらをまとめて《至高の評決》で片付けた。ラーションは《聖トラフトの霊》と《ボーラスの占い師》で戦線を立て直し、占い師は彼に3枚目の《スフィンクスの啓示》を持ってきた。スタークは2枚目の《至高の評決》を持っていたが、3枚の《スフィンクスの啓示》が問題になるのは近かった。

 ラーションが砲撃を開始した。1枚目は《雲散霧消》された。2枚目はスタークのアップキープに仕掛けて《否認》された。だがそこでスタークの手札は空になり、彼は2枚の《ネファリアの溺墓》を起動するだけだった。彼はラーションが莫大な枚数ドローするのを見届け、とにかく《心理のらせん》だけはやめてくれ、と祈った。それが来るのに時間はかからず、スタークのライブラリーを35枚削った。ライブラリーの枚数で言えば、まだゲームは終わっていなかった。

スタークの《ネファリアの溺墓》たちと彼の働きがすべて、彼自身に返ってきた。

 スタークはできる限りのベストを尽くした。しかし、《スフィンクスの啓示》によるアドバンテージ差は立ち直るにはあまりにも大きく、スタークのライブラリーに残された5枚のカードは、その中に解答が入っていないことを物語っていた。彼は何枚かラーションのライブラリーを削ってみたが、間もなくして投了した。

ラーション 2-2 スターク

ゲーム5

「こうでなくちゃね。すべてを賭けた戦いってものはさ」――ヨエル・ラーション

 あいにく、このドラマティックな結末をカメラに収めるため、彼らはもうひとつの準決勝が終わるのを待っていなければならなかった。ふたりとも初手をキープし、逸る気持ちを抑えるのに集中した。トム・マーテル/Tom Martellがエリック・フローリッヒ/Eric Froehlichに勝利したことを祝福する拍手が響き渡り、カメラが所定の位置についた。

 改めて、スタークは《ボーラスの占い師》からゲームを始めた。これが彼に《肉貪り》をもたらした。ラーションも《ボーラスの占い師》でこれに応え、極めて重要な《心理のらせん》をめくった。「知ることができて良かったんじゃないかな」と、彼は笑う。両プレイヤーとも3枚目の土地を置いてターンを渡した。スタークが4枚目の土地を置いた後、ラーションはそのターンの終わりに《ボロスの魔除け》で4点のダメージを与えた。スタークはライフを16に落としたが、《修復の天使》を瞬速で出すチャンスを得た。再度誘発した《ボーラスの占い師》で、彼は《否認》を手に入れた。ラーションもアンタップ後《修復の天使》をプレイし、《ボーラスの占い師》から《灼熱の槍》を得た。

 スタークは《強迫》した。ラーションは《灼熱の槍》、《ボロスの魔除け》、《心理のらせん》、《スフィンクスの啓示》、《雷口のヘルカイト》、《瞬唱の魔道士》と、心強い手札を見せた。スタークは《ボロスの魔除け》を取り除いた。不運にも、彼は土地が4枚で止まってしまった。ラーションは何食わぬ顔で《雷口のヘルカイト》のために必要だった5枚目の土地を引き込んだ。スタークは考える時間を要した。彼は《雷口のヘルカイト》を止めるため《雲散霧消》を使うことにした。アンタップ後《熟慮》を唱えるも、まだ土地は見つからなかった。

ラーションの火力がこのマッチアップでは彼を攻勢に立たせ、いくらか余裕を与えてくれている。

 ラーションは《修復の天使》で攻撃し、スタークがブロックすると想定通り《灼熱の槍》を使った。スタークはターンの終わりに《アゾリウスの魔除け》をサイクリングし、ようやく土地を引き込んだ。ラーションの《修復の天使》がスタークのライフを16に落とした。《熟慮》をフラッシュバックすると、スタークは6枚目の土地を手に入れた。問題は、《修復の天使》に《至高の評決》を撃つと、ラーションがさらに危険なものを使える隙を作ってしまうことだ。スタークはもう3点ダメージを受け、ターンの終わりに撃ったX=3の《スフィンクスの啓示》は《否認》されて、その後ライフは10となった。

 10は決して多いライフではない。ましてやすでに《修復の天使》の重圧を受けているなら、なおさらだ。ラーションは2枚目の《スフィンクスの啓示》を繰り出してきた。スタークは何をすべきか決めようとゆっくり頭を振りだした。最終的に、彼は《瞬唱の魔道士》を使って《否認》した。《修復の天使》がスタークのライフを7点にし、さらにラーションは《瞬唱の魔道士》から《ボロスの魔除け》を唱えるチャンスを得て残り3点まで落とした。

 スタークは追い詰められた。ラーションの《修復の天使》が致命傷を与えにくる。スタークは《修復の天使》を瞬速で出した。それに対応してラーションが《瞬唱の魔道士》。それが解決され、ラーションは《ボロスの魔除け》をフラッシュバックした。スタークは自分を対象に《肉貪り》を撃つほかなく、《ボーラスの占い師》を生け贄に捧げてライフ2点で生きながらえた。スタークはアンタップ後、タップ・アウトで《スフィンクスの啓示》を最大にして撃つが、ここでは彼のプレイは疑問手だった。ラーションは2枚目の《雷口のヘルカイト》を手札に持っていて、間もなくして彼は決勝に進むことになったのだった。

 ヨエル・ラーションが3-2で勝ち抜き、決勝へ!




(Tr. Tetsuya Yabuki)

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