Round 14

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中村 肇(東京) vs. Adam Koska(チェコ)

中村 肇
二年前のこの時期も、京都でプレミアイベントが開催されていた。

そのグランプリ京都を制したのは、渡辺 雄也(神奈川)であった。

渡辺は、その勢いままに、その年のRookie of the Yearを獲得したのだった。

渡辺の強さの原動力は、と聞かれれば、筆者は間違いなく「関東の草の根トーナメントの質と量」と答えるだろう。

東京の五竜杯と、千葉のLMC、そして神奈川のPWC。この3大会を中心に、多くの大会が関東には存在している。

津村 健志(広島)が過去に言っていたことがある。「大会にでる以上の練習は無い」と。

これらの大会が入れ替わり立ち替わり開催され、大会のない週末が無い、ということが、ここ数年のいわゆる「関東第3世代」の躍進を支えているのは間違いないだろう。

そして、渡辺はその中でも、PWCを拠点とし、2年連続で「ミスターPWC」と呼ばれるほどの活躍をしていたのだ。渡辺の原点はPWCにあり、これは、渡辺が獲得したグランプリ京都のトロフィーが、PWC主催者の中嶋 智哉に寄贈されたことからも間違いないだろう。

だが、その渡辺の「ミスターPWC」の座を脅かそうとしているプレイヤーがいる。

それが、中村 肇(東京)だ。

「KAKAO」のハンドルネームで知られる中村。渡辺の初フィーチャーマッチであるグランプリ浜松でも、渡辺・石川 練(神奈川)とともにチームを組んでいた。

その中村が、この京都の地で、トップ8進出を賭けて、最後のマッチを戦おうとしている。

対戦相手は、Adam Koska(チェコ)。使用デックは、赤白GAPPO。

中村のデックは、赤白GAPPOに勝利するべく選択された白単キスキン。

果たして、中村が、再び京都でのトロフィーをPWCに持ち帰る、その第一歩を踏み出すのか、それとも、世界の壁の厚さを思い知らされるのか。

Game 1

1ターン目に中村は《風立ての高地/Windbrisk Heights》をセット、Adamは2体の《モグの狂信者/Mogg Fanatic》を並べていく。

中村は《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》《皺だらけの主/Wizened Cenn》とならべ、プレッシャーをかけていく。

だが、対戦相手は《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》をキャスト。そして《メドウグレインの騎士》を《稲妻のらせん/Lightning Helix》する。

《皺だらけの主》を《モグの狂信者》の生け贄へと捧げクロックを失った中村の前に登場した《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》は中村へと、プロツアートップ8の壁の高さを感じさせる。

しかし、中村も負けてはいない。《雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger》をキャストすることで《風立ての高地》の発動条件を満たす。

だが《風立ての高地》そのものが《大爆発の魔道士/Fulminator Mage》で破壊されてしまってはどうにもならない。

続くターンには《幽体の行列/Spectral Procession》をキャストし、パーマネントの数では圧倒する中村。さらに2枚目の《雲山羊のレインジャー》を追加すると《栄光の頌歌》を設置しAdamへと数の暴力で襲いかかる。

だが、そこは粘りに定評のある赤白GAPPO。《復讐のアジャニ》がAdamにライフを提供し続け、《運命の大立者/Figure of Destiny》が8/8までふくれあがってしまうと、中村は土地を片付けた。

Adam 1-0 中村

Game 2

中村はダブルマリガンの末に《平地》が2枚に《変わり谷/Mutavault》《幽体の行列》《雲山羊のレインジャー》という手札をキープする。Adamもマリガン。

第1ターンから中村は白マナの引きにかけるか、それとも《変わり谷》でのアタックを優先するかという選択を突きつけられ、結局前者を選択する。

中村のファーストドローが《ひなびた小村/Rustic Clachan》であり、賭けに勝った形となった。3ターン目には《幽体の行列》をキャストする。

対して、Adamは2枚の《風立ての高地》を含めて土地を並べつづけ《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》を場に送り出す。

この2枚の《風立ての高地》が起動できる状態になってしまうと、もともとアドバンテージ差のある中村としては、非常に厳しい状態となってしまうのが明らかだ。中村も、対抗するかのごとく、1枚の《風立ての高地》をセットする。

だが、Adamは《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》をキャストし、易々とその条件をクリアしてしまう。

しかし、ここで中村の秘匿していたカードが、まさかの《神の怒り/Wrath of God》。

なんとかアドバンテージ差を取り返した中村だったのだが、Adamも、《炎族の先触れ/Flamekin Harbinger》をキャストし、ライブラリーのトップに《目覚ましヒバリ》を仕込み、さらに《復讐のアジャニ》。

中村は、この《炎族の先触れ》に対して《流刑への道/Path to Exile》をキャストする。Adamはこれを通した上で、ライブラリーから基本地形をサーチすることを選択しない。

《幽体の行列》をキャストし、ターンを返す中村。想起でキャストされる《目覚ましヒバリ》へなすすべがないのだ。

戻ってくる《包囲攻撃の司令官》と《白蘭の騎士》。土地を引いた中村は《幽体の行列》のトークンを《復讐のアジャニ》へとアタックし、忠誠カウンターを減らし、さらに《雲山羊のレインジャー》をキャストする。

Adamの《復讐のアジャニ》はその身を犠牲に《雲山羊のレインジャー》を打ち落とす。

その生み出したキスキントークンたちは《包囲攻撃の司令官》の産んだゴブリントークンをブロックしていくが、それぞれが2マナの《ショック/Shock》となって、中村のスピリットトークンを打ち落としていく。

そして、ついにAdamの《風立ての高地》から2枚目の《復讐のアジャニ》が登場してしまう。

中村は《幽体の行列》《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》とキャストして、ターン終了。

《メドウグレインの騎士》は《復讐のアジャニ》によって除去され、スピリットトークン3体は《包囲攻撃の司令官》本体と交換される。

だが、ここでの中村のトップデックが《運命の大立者》。《変わり谷》で《復讐のアジャニ》の忠誠カウンターをなくすと、Adamのターンエンドには4/4とする。

引き続いて中村のトップが強い。今度は《静月の騎兵/Stillmoon Cavalier》。これをキャストすることで《白蘭の騎士》を完全にシャットアウトする。場が完全にひっくり返る。

しかし、Adamは《神の怒り》をキャストする。これでお互いがトップデック合戦となった。

中村のライブラリートップは、土地。《変わり谷》でアタックする。

Adamのライブラリートップは《包囲攻撃の司令官》。

Adam 2-0 中村

ゲーム終了後に、渡辺が中村に声をかける。

渡辺 「なんで、《炎族の先触れ》に《流刑への道》うってんだよ!《包囲攻撃の司令官》に打つしかないでしょ!」

中村 「手札が悪すぎたから、基本地形サーチしてくれないかって...」

渡辺 「プロツアーだぞ!草の根じゃないんだぞ!」

中村 「でも、ラウンド4では探してくれたよ」

渡辺 「...」

中村のプレイが正しかったかどうかは筆者にはわからない。

だが、渡辺の言う所の「草の根ではなくプロツアー」で、トップ8入賞直前まで進んだことだけは、疑いようのない事実なのである。

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