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西脇 正浩 vs. 藤田 剛史

ラウンド 12:

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何年ぶりだろうね」
「雅也君がはじめて優勝したときにあたって以来じゃないかな?」
「雅也つよかったよね」
「…そやね」

昔話に旧交を温めながら笑顔でデッキをシャッフルする二人。しかし、視線が外れた瞬間には、今にも火花が散りそうな厳しい表情を見せる。

今や日本マジック界の押しも押されぬ第一人者である藤田剛史にとって、これは決勝ラウンド進出をかける意味で絶対に落としたくないマッチであった。西脇がブランクを経て復活したばかりのプレイヤーであるだけに、負けてたまるか、という意地のようなものもあるのかもしれない。

一方の西脇。最近のプレイヤーにとっては初顔ということになるかもしれないが、実は彼は東海というエリアにトーナメント・マジックを根付かせた二大巨頭の一人である。たとえば、2003年度日本王者の大塚高太郎などにとっては大恩人ともいうべき存在なのだ。今でこそ・・・大塚、加藤、塩津、小倉といった具合に若き名古屋勢たちも全国区となったわけだが、それもこれも西脇正浩と岡本尋がこのエリアを育ててくれたからこそと言っていいだろう。ただ、当時の相棒だった岡本尋が今ではアジア王座と世界選手権準優勝というタイトルを掴み取っているのとは対照的に、西脇のマジック・プレイヤーとしての戦歴は数年前から空白のままとなっていた。そう、引退していたのだ。

しかし、西脇は帰ってきた。

「つい飲み会ついでに勢いで」出場したというPTQで西脇は圧倒的な強さを見せ付け、数年のブランクがうそであるかのようにプロツアー神戸への参加権をかちとってしまったのだ。そして、西脇は思い出しかけた何かを確かなものにすべく…グランプリ岡山へと足をはこんだのだ。

Game 1

ゴブリンデッキの藤田といわゆるRDWの西脇。

まず先手藤田が《モグの狂信者/Mogg Fanatic》召喚からキックオフし、後手西脇は《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》から《山/Mountain》をフェッチして《炎の稲妻/Firebolt》をモグに叩き込んだ。マッチアップを象徴するような立ち上がりだ。

実は1ランドでスタートしていた藤田だったが、見事に《ゴブリンの穴ぐら/Goblin Burrows》を引き当てて《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》を2ターン目に召喚。対する西脇が今度は《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》から《山/Mountain》をフェッチしてミラディンの《炎歩スリス/Slith Firewalker》を展開し、藤田はこれを《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》サイクリングで除去して攻撃宣言。

西脇は3枚目のフェッチランドとなる《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》を使用してから《火山の鎚/Volcanic Hammer》で《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》を除去し、《炎の印章/Seal of Fire》で睨みをきかせてターンを返す。

攻めるゴブリン(藤田)をRDW(西脇)がいなしていくという序盤の攻防だった。

4ターン目の藤田は3マナで《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》召喚から《モグの狂信者/Mogg Fanatic》をサーチしてターンエンド。対する西脇はこのマッチでもっとも大きな意味をもつであろうカードの一枚、《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》を召喚して《女看守》を葬った。確実に2:1交換をとれるエース・クリーチャーだ。

藤田は第5ターンに4枚目のランドをセットし、《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》と《モグの狂信者/Mogg Fanatic》を召喚。西脇はこの《モグ》を先ほどの《印章》で除去し、《戦長》をスルー。ライフでおされている西脇がここで《カヴー》での相打ちを選択しなかったわけだが、返す西脇のターンにその理由が明らかにされる。サモン《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》、2体目。

メインデッキに入っている2枚の《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》を両方とも引き当てた西脇の勢いは本物で、この2体の《カヴー》が同時にアタックしてくるときには、《焦熱の火猫/Blistering Firecat》のおまけつきなのだった。

西脇 1-0

Game 2

ふたたび先手となった藤田は7枚の初手を見て眉間にしわを寄せた。彼は《ゴブリンの穴ぐら/Goblin Burrows》しかマナソースのなかったハンドにマリガン宣言し、《山/Mountain》1枚しかマナソースの無い6枚のハンドをキープすることとなった。

一方の西脇はというとマナソース3枚に《炎の稲妻/Firebolt》2枚、《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》、《焦熱の火猫/Blistering Firecat》というハンドをキープしており、観戦している側としては西脇が優位にゲームを進めるであろうことを予想せずにいられなかった。

しかし、勝負というのは面白いもので・・・西脇の初手は罠だったのだ。

藤田の《モグの狂信者/Mogg Fanatic》と西脇の《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》が素直に相打ちし、藤田はそこに《火花鍛冶/Sparksmith》を続ける。

次々と《巣立つドラゴン/Fledgling Dragon》を引いてくる西脇は4枚目の土地が置けず、たまっていく一方のハンドではせっかく引き当てた《呪われた巻物/Cursed Scroll》もあまり意味をなさない。対する藤田は《炎の稲妻/Firebolt》で除去されつつも1枚ずつゴブリンたちを戦線につらね、コツコツとダメージを与えていく。

そして藤田は《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》を《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》からサーチし、2体目の《鍛冶》とともに一気にプレイグランドを制圧にかかる。ようやくマナをひきはじめた西脇はなんとか《鍛冶》を《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》で除去し、《炎の印章/Seal of Fire》によって《司令官》本体をうちとり、ライフを削られつつも《巣立つドラゴン/Fledgling Dragon》召喚にまでたどりつく。

しかし、藤田は今大会のシークレットテクである《すさまじき激情/Blood Frenzy》を引き当てて勝負を押し切った。

藤田 1-1

Game 3

星がタイとなって場は一気に緊迫。

先手となった西脇は《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》からの《ジャッカルの仔/Jackal Pup》という具合にここまでの二戦とは打って変わってオフェンシヴなたちあがりを見せる。対する藤田、セット《山/Mountain》、ゴー。

西脇は第2ターンにも《炎の印章/Seal of Fire》と《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》と攻勢をゆるめない。そして、藤田は下唇をかみながら、ドロー、セット《山/Mountain》、ゴー。

西脇は攻撃しつつ《呪われた巻物/Cursed Scroll》を展開してターンエンド。藤田はようやく最初のクリーチャーとして《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》を・・・。

西脇は《印章》で《スカーク》を除去してアタック宣言。そして《巣立つドラゴン/Fledgling Dragon》を戦線に加えた。藤田は《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》からの《モグの狂信者/Mogg Fanatic》召還で応じる。

そして、西脇は詰めマジックを淡々と終えた。

《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》起動。対象は《モグの狂信者/Mogg Fanatic》。当然《モグ》は《ジャッカルの仔/Jackal Pup》に飛び込んでくる。そして・・・、西脇はタップアウトした藤田に対して《焦熱の火猫/Blistering Firecat》召喚!

藤田は投了を宣言し、西脇は久々のフューチャーマッチを白星で飾った。

Final Results:西脇 2-1



Tsuyoshi Fujita
Goblins looking for Dave Price !



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