大澤 拓也

4th Rochester Analysis:

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Rookie of the Year。森勝洋と大礒正嗣という非凡なる二人の若者は国際舞台で一気にその才能を花開かせ、ついには国際舞台の新人王を掴み取ってしまった。やはり彼らも十把一絡げの「Random Japanese」と扱われていたわけなのだが、プロツアー・サーキットでの活躍によって「Mori」と「Oiso」は今や「名前と顔の一致するプレイヤー」へと成り上がったのだ。森や大礒のような圧倒的な才能を例にしてしまうのは少し極端かもしれないが、やはり若く新しい才能が芽吹いているのを見つけられた瞬間というのは喜ばしいものである。ここで取り上げる大澤もそんな将来ある若手の一人だ。

彼、大澤拓也にとってこのプロツアー・アムステルダムは初参加となるプロツアーである。そう、彼も新人王レースにエントリーしたばかりの新鋭というわけなのだ。浅原連合で切磋琢磨してきたという大澤は大舞台でも堂々のドラフティングを披露しており、熾烈な生存競争に勝ちあがって二日目進出を見事になし遂げている。

18歳の大学生。今回は「週数回のペースで行われていた黛亭練習会に混ぜてもらえたのがここまでの成功の原動力ですね」と彼はここまでの成功の原動力について語っている。ロチェスターの卓を囲むプレイヤーがほぼ全員このプロツアー・アムステルダムの参加権もちというすばらしい環境を得た大澤は、まさしく水を得た魚だったというわけだろう。真木、藤田(憲)、石田、浅原といった百戦錬磨の先輩たちにもまれて彼はたくましく成長したのだ。

はたして、そんな大澤はこの第4ロチェスターでどのような戦いを見せてくれるだろうか?

◇Pod Members

1:Matt Linde (USA)-PT Boston 2003 Champion(The Brockafellers)
2:Gabe Walls (USA)-Worlds 2003 Top 8 , US Nationals 2003 Finalist
3:Olivieri Ruel(FRA)-PT Osaka 2002 Finalist
4:Phil Atkin (USA)
5:Kevin Quirk (USA)
6:Aeo Paquette (CAN)
7:Shun Jian (AUS)
8:大澤 拓也(JAP)

ざっと上記のポッドを見渡しての通り、1番Lindeから3番Ruelまで有名人が連なり、その集団の上家にあたる場所が大澤ということに。大澤が戦前に語っていた戦術は「白決め打ち」だったわけだが、とりあえず下のLindeが開幕パックでどのような動きを見せるか注目したいところだった。

-Booster 1-

開封された最初のパックからは次のようなピックがなされていった。

1:Linde-《空狩人の巡回兵/Skyhunter Patrol》White
2:Walls-《ゴブリンの模造品/Goblin Replica》 (Red)
3:Ruel-《銀のマイア/Silver Myr》(Blue)
4:Atkin-《ピューターのゴーレム/Pewter Golem》(Black)
5:Quirk-《供犠台の光/Altar’s Light》White
6:Paquette-《大焼炉/Great Furnace》(Red)
7:Jian-《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》--
8:大澤-《彩色の宝球/Chromatic Sphere》+《金属ガエル/Frogmite》--

大澤の下家にあたるLindeが高らかに白を宣言。大澤はここで色をかぶせるべきか否か早くも悩まされたというが、とりあえずアーキタイプを選ばない無色の2枚のアーティファクトをピックして最初の2ピックを終えた。

-Booster 2-

2番Wallsが自パックから《十二の瞳/One Dozen Eyes》をピック。赤緑という方向性を主張した。続く3番Ruelは無色のパワーカード《陰極器/Cathodion》、その下の4番Atkinは1パック目に続いて黒を主張すべく「ドレイン」こと《魂の消耗/Consume Spirit》を。8番の大澤はこのパックで青を主張すべく《コバルトのゴーレム/Cobalt Golem》をとり、下のLindeはここで《テル=ジラードに選ばれし者/Tel-Jilad Chosen》と《ヨーティアの兵/Yotian Soldier》をピックしてきたのだった。下は白緑に。

-Booster 3-

3番Ruelは自分のパックから《立ちはだかる空護り/Looming Hoverguard》をピックして青い宣言。そろそろ大澤的には上のJiangに動向をはっきりとさせてもらいたいところだが、ここで7番は《ニューロックのスパイ/Neurok Spy》をピック。上に同じ色を宣言されてしまったわけだが、ここで大澤は黒い《屍賊の金切り魔/Nim Shrieker》をピックして黒におうかがいをたてた。

-Booster 4-

4番AtkinもGabe Walls同様に自パックから《十二の瞳/One Dozen Eyes》をピック。このパックで大澤の上家は《ニューロックの滑空翼/Neurok Hoversail》をピックし、大澤はここで《流血スリス/Slith Bloodletter》をひろってメインカラーを黒く。ただ、下のLindeが返しに《魂の消耗/Consume Spirit》をピックしたのが気になるところか。大澤は返しのピックでも黒い《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》を入手した。

-Booster 5-

5番Quirkはファーストピック《爆片破/Shrapnel Blast》。このパックで出現した白いパワーカードである《まばゆい光線/Blinding Beam》を大澤の上のJiangがゲットしたため、大澤の上下が白をとりあうこととなった。ここで大澤は白へスイッチすることを完全に断念せざるをえなかったという。

そんな大澤のピックは《悲哀を持つもの/Woebearer》。そして1番Lindeは最初に宣言したとおりに白レプリカこと《兵士の模造品/Soldier Replica》を。

-Booster 6-

ここで噂の”Elephant”が出現。Aeo Paquetteはその《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》を入手し、大澤の上の7番Jiangは流れてきた《ペンタバス/Pentavus》を。ここで大澤は《銀のマイア/Silver Myr》を拾い、下で白緑をアピールしたLindeは待望の装備品一号である《ヴァルショクの篭手/Vulshok Gauntlets》をピック。

-Booster 7-

大澤の上のJiangの開封パック。ここには《手綱取り/Grab the Reins》、《機械仕掛けのドラゴン/Clockwork Dragon》、《トゲ撃ちゴブリン/Spikeshot Goblin》といったパワーカードが存在しており、Jiangはここから順当に《手綱取り/Grab the Reins》をピックした。《まばゆい光線/Blinding Beam》と《手綱取り/Grab the Reins》というスペルを入手し、Jiangはまさに大澤のやりたかった白赤に進みそうな事に。もっとも、《ニューロックのスパイ/Neurok Spy》をすでにとっているから《手綱取り/Grab the Reins》あたりはタッチカラーになる可能性も否定できない。ちなみに、大澤の下のLindeは緑白だ。

ここまで青と黒を主張していた大澤は住み分けという意味では上手くいきそうだったが、ここで赤に手を出すことを宣言。《トゲ撃ちゴブリン/Spikeshot Goblin》を大澤はピックしたのだった。

-Booster 8-

大澤のセルフパック。ここで大澤は2枚目となる《トゲ撃ちゴブリン/Spikeshot Goblin》をドラフトし、赤を大きくアピールすることとなった。

1順目を終えた段階で大澤は青黒タッチ赤ないし赤黒タッチ青やらに進みそうな三色。上は白赤気配だが青にもいける状態で、下のLindeは白緑。

-Booster 9-

逆順の1パック目は8番大澤からとなる。ここで大澤は自パックの《ニューロックのスパイ/Neurok Spy》をピック。7番Jiangは《レオニンの陽準器/Leonin Sun Standard》をこのパックでひろっている。

-その後の推移-

結局、大澤の進路はこのまま三色ピックということになったのだった。

本来的には「青黒にタッチで《トゲ撃ちゴブリン/Spikeshot Goblin》を2体と火力かアーティファクト除去」という絵図を描いたようなのだが、大澤には縁のないところで《血のやりとり/Barter in Blood》が2枚(Ruelが両方とも入手)や《肉体の裏切り/Betrayal of Flesh》が3枚出現し、大澤は2体目の《屍賊の金切り魔/Nim Shrieker》くらいしか黒いカードは取れずじまいとなってしまう。

しかし、2体の《トゲ撃ちゴブリン/Spikeshot Goblin》を輝かせるための《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》を最後の18パック目で引き当てている大澤は、青赤タッチ《屍賊の金切り魔/Nim Shrieker》というデッキを構築した。そして、そのポテンシャルにはおおむね満足しているという。

「今回の卓もカードプール全体があまり強くなかったので、普通に組めている自分のデッキは悪くないと思います。《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》も《粉砕/Shatter》も一枚も出ていないのには赤をやっていた自分としては驚きましたけど、緑では《ファングレンの狩人/Fangren Hunter》とかがまったく出ませんでしたしね」

ピックに関してたずねたところ、「今回のロチェスターではミスったなっていうところは見当たらない気がします」とのことだった。

「でも、今回のプロツアーは白赤というかとにかく白きめうち気味でこれまでやってこれたんですけど、今回は上下に白をやられちゃって手の出しようもありませんでした。…やっぱり白をやりたかった気はしますね。」

そんな大澤がこのポッドで特に警戒しているのはRuelの青黒デッキだという。除去、ドロー・カード、クリーチャーの回避能力、そのどれをとっても文句のつけようのない黒青のすばらしいデッキをRuelはドラフトしているからだ。

「とりあえずBest 32に残ってPTQ神戸(上位入賞による次のプロツアー招待)を目指したいですね」と、はにかみながら控えめな目標を明らかにした大澤。
是非ともこれからを注目したい若手プレイヤーがアムステルダムでデビューをはたしている。

-追記-

大澤はこのデッキで見事に2勝1敗という成績をおさめ、最終第5ドラフトのでき次第では決勝ラウンド進出というところまで順位を上げることになる。

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