5th Rochester Analysis: Pod 1

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 歴代最強のドラフトポッド。発表された瞬間、会場はこの卓に関する話題で咲き乱れた。それもそのはずだ。まずはメンバーをご紹介しよう。

 1:Nicolai Herzog ヨーロッパ選手権二度優勝、Pro Tour Chicago 準優勝
 2:Michael Turian Team Pro Tour を、Gary Wise、Scott Johns と組んだ Potato Nation で優勝。他 201年世界選手権 5 位を始め活躍多数。世界最強のリミテッダーと評される。
 3:Anton Johnson 2002 Pro Tour New Orleans、Nice と連続 Top 8 入り。GP Sevilia 優勝。
 4:Ruel Olivier 2002 Pro Tour 大阪 準優勝。世界を旅するグランプリ巡業者としても有名で、日本でも各地で目撃情報が上がる。曰く、冬の静岡で野宿してた。曰く、京都でホテルのチャリンコこいで寺巡りしてた。
 5:藤田修 日本三大藤田の一人。最近は世界のイチローと呼ばれたりもする。今年度日本選手権準優勝。世界選手権14位。
 6:Kai Budde 説明要らず。ドイツの皇帝。Pro Tour 優勝数知れず。
 7:Osyp Lebedowicz 2003 Pro Tour Venice 優勝、2002 Pro Tour 大阪 7 位。
 8:Kamiel Cornelissen 2001 Pro Tour Los Angels 準優勝、GP Heideberg 優勝等活躍多数。
 
 この八名だけで今までに幾ら賞金を稼いだのだろうかと、要らぬ計算をしたくなるぐらいに豪勢すぎるメンバー構成だ。では役者揃いのメンバーで行われたドラフトの概略をご紹介しよう。詳しいピックは別記事に掲載されているので、そちらと併せてご覧を。

 ■ 色確定に至るまで
 
 一番席に座った Nicolai は自身のパックを開け、にんまり。そこには《ロクソドンの戦槌/
Loxodon Warhammer》が。

 Nicolai 《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer
 Turian 《急報/Raise the Alarm
 Anton 《ファングレンの狩人/Fangren Hunter
 Ruel 《強奪する悪魔/Reiver Demon
 藤田 《クラーク族の兵卒/Krark-Clan Grunt
 Kai 《浴びせかけ/Irradiate
 
 と続く。Turian は数多いパワーカードには目もくれず、《急報/Raise the Alarm》で強行に白をアピール。続く Anton も白と噛み合う事の少ない緑を選択。そして Ruel は喜びながら爆弾を入手し黒に流れる。藤田は赤から始めて、Turian と二つ離れた位置で白を伺うが…

 続く Turian のパックで、藤田の右隣である Ruel が《レオニンの空狩人/Leonin Skyhunter》を取得し白黒への道を選択する。藤田は思惑が外れ残念がるも、《マラカイトのゴーレム/Malachite Golem》を取り二色目を保留。次第に他のメンバーも色の選択が明らかになっていく。

 《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》を見たところで藤田が赤青に色を決定。同様に色選択が微妙だった Kai も白黒への道を決定する。

 ■ 色確定の後に

 以下が最終的な色の配置。ロチェスターで重要となる間に空いた人数が解り易いように、未取得カラーには□を挿入してみた。
 
 Nicolai・ □□黒赤□
 Turian・・白□□赤□
 Anton・・ □青□□緑
 Ruel・・・白□黒□□
 藤田・・・□青□赤□
 Kai・・・ 白□黒□□
 Osyp・・・□青黒□□
 Kamiel・・□□□赤緑

 合計人数 33442
 
 配置を見て特徴となるのは黒の人数の多さだ。通常三人であるところが、一人多い四人が採用している。更に、Ruel、Kai、Osyp は四人並んだ中に三人が密集する形。だが、Osyp は返しのターンで三人間が空く青を、Kai は同じく三人間が空く白を選択している。

 ただし、全パックで同じミラディンを使用する今回のレギュレーションでは、左側の隙間の有効性は右側の半分しかない。その意味で左側に期待をかけるドラフトは危険を孕んでいる。

 逆に、右側に緑の隙間四人を持つ Kamiel と三人分の白隙間を持つ Turian はポジション的に優れていると言える。

 勿論これは期待値の話であり、サンプル数が少ないドラフトではパック運によって簡単にひっくり返ってしまうのは言うまでもない。けれど、シートポジションを選択する上で無視してはいけない事であるのもまた事実である。

 ■ より詳細に
 
 その重さゆえ、その鈍さゆえ、誰も取らなかったがために二枚の《生きている蟻塚/Living Hive》を「取らされた」形になった Anton 。もはや他に選択肢無しとひたすらにマナブーストと巨漢を集めるドラフトを展開する。

 逆にポジション的に有利な Kamiel は《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》や《捕食者の一撃/Predator’s Strike》といったアクションカードに恵まれるが、《ファングレンの狩人/Fangren Hunter》や《テル=ジラードの射手/Tel-Jilad Archers》といった基本カードの出が悪く、想像したよりも厳しい展開を強いられる。

 早い時期に《ニューロックのスパイ/Neurok Spy》を二枚に《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》と揃え、順風満帆かと思われた藤田だが、後続がパックから登場しない。更に《ウィザードの模造品/Wizard Replica》、《コバルトのゴーレム/Cobalt Golem》といった飛行クリーチャー群は全て Anton によってピックされてしまい、クリーチャー数が思うように伸びない。

 同様の問題を Kai も抱えていた。返しの流れで白カードの出が悪く、《レオニンの居衛/Leonin Den-Guard》や《空狩人の若人/Skyhunter Cub》《空狩人の巡回兵/Skyhunter Patrol》といった白必須のカード群を入手する事が出来ない。またパックの中身もクリーチャーよりも呪文が多めとなってしまい、自分のパックでも《まばゆい光線/Blinding Beam》ではなく《急報/Raise the Alarm》を初手で取らなければならない厳しい展開だ。

 同じ白ながら、Ruel は展開に恵まれた。左右共に一人しか空いていないにも関わらず、うまくおこぼれが取れる形でカードが出現したからだ。序盤こそ厳しいピックが続いたが、三枚の《まばゆい光線/Blinding Beam》を始め立派な白いデッキに。

 全ての試合を勝つ必要は無い一番ポッドに座る彼等。この中の約半数は、明日の決勝に進出する事となる。このせっぱつまりまくったドラフトの中から、権利をもぎ取るのは誰になるのだろうか。

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