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ファーストロチェスター:真木孝一郎

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 日本を代表する理論派リミテッダーである真木孝一郎。

 「個人で戦えない構築には興味ないです」

 ...と語る真木。実際に構築最強位決定戦である The Finals 2003 の予選出場をボイコットしていたりと首尾一貫、実に硬派である。裏を返せば、真木のリミテッドにかける情熱はそれだけ並々ならぬものがあるわけで、PTQをサーキットまでして今大会への参戦権を獲得しているほどだ。

 ...そんな真木の彼をマジックの神様がくんでくれたのだろうか?
 スリリングなことこの上ない22番ポッド、そう、帝王Buddeと同卓でのスタートとあいなったのである。

Pod

①Randy Rosales
⑧Ken Krouner ②黛慎一
⑦真木孝一郎 ③Steve Wolfman
⑥Eli Kassis ④Yuval Shachaf
⑤Kai Budde

1st Pack

Rosalesの開封したオープニングパックは中々に強力で、当人はここで《焦熱の火猫/Blistering Firecat》を入手。黛が《虫つぶし/Swat》、Wolfmanが《陽光の突風/Solar Blast》、Shachafが《平和な心/Pacifism》、Buddeが《のたうつ汚泥獣/Thrashing Mudspawn》、Kassisが《圧倒する防衛者/Daunting Defender》...という具合にパワーカードが行き渡り、真木は《活力の魔除け/Vitality Charm》と《針刺の殴り獣/Spined Basher》という2枚のカードをピックした。

今回のロチェスターに関して言えば、真木は最初に選択した緑黒という二色を終始一貫した主張ということになる。かつては「カラーシグナル」を理解しない日本人が卓を荒らすことを揶揄して「ジャップドラフト」などという具合に陰口をたたかれたものだが、真木も黛も相応のドラフト巧者であり、Budde、Krouner、Wolfmanといった歴戦の猛者たちと巧みにキャッチボールしていたようだった。

ちなみに、真木は初手で緑を選択した理由を以下のように語っている。

 「二つ上のBuddeが黒。上家は白。ここで青か緑かという選択肢があったわけだけど、結局ここで緑と(返しで)黒をピックしたことで、上には『赤白やらせてあげるから共存しようね』っていうメッセージをこめたつもりだったんだよね」

ここで、各パックからのファーストピックと、真木自身のピックをまとめておこう。

1) Randy Rosales(赤白):《焦熱の火猫/Blistering Firecat
真木のピック:《活力の魔除け/Vitality Charm》・《針刺の殴り獣/Spined Basher

2) 黛慎一(緑黒):《エルフの戦士/Elvish Warrior
真木のピック:サイクリングランド*2(G/B)

3) Steve Wolfman(青赤):《うつろう爆発/Erratic Explosion
真木のピック:《樹を跳ねるロリアン/Treespring Lorian》・ゴミ

4) Yuval Shachaf(赤白):《ショック/Shock
真木のピック:《のたうつ汚泥獣/Thrashing Mudspawn》・《クローサの地鳴り獣/Krosan Groundshaker

5) Kai Budde(緑黒):《戦慄の葬送歌/Dirge of Dread
真木のピック:《大群を産むナントゥーコ/Broodhatch Nantuko》・《帰化/Naturalize

6) Eli Kassis(赤白):《平和な心/Pacifism
真木のピック:《活力の魔除け》・ゴミ

7) 真木孝一郎(緑黒):《ワイアウッドのエルフ/Wirewood Elf
ファーストピック時の他候補:《ショック》・《クローサの巨像/Krosan Colossus

8) Ken Krouner(青赤):《燃えさし魔道ゴブリン/Embermage Goblin
真木のピック:《陰謀団の処刑人/Cabal Executioner》・サイクリングランド(G)

 興味深いことに、卓内の全員が...

・青赤
・白赤
・黒緑

 というオンスロートを代表するアーキタイプのいずれかに帰結していることが印象的だ。

2nd Pack

Ken Krouner(青赤):《陽光の突風》
真木のピック:《テフラダーム/Tephraderm》・ゴミ

真木孝一郎(緑黒+赤):《陽光の突風》
ファーストピック時の他候補:《共生するエルフ/Symbiotic Elf》・《魂無き者/Soulless One

Eli Kassis(赤白):《スカークの猛士/Skirk Commando
真木のピック:《物怖じするヴァレスク/Skittish Valesk》・《正義の理由/Righteous Cause

Kai Budde(緑黒):《壊疽の大巨人/Gangrenous Goliath
真木のピック:《樺の知識のレインジャー/Birchlore Rangers》・《アヌーリッドの濁り水潜り/Anurid Murkdiver

Yuval Shachaf(赤白):《乱打する岩角獣/Battering Craghorn
真木のピック:《樹皮革のやっかいもの/Barkhide Mauler》・《憑依された死者/Haunted Cadaver

Steve Wolfman(青赤):《魔道士の悪知恵/Mage's Guile
真木のピック:《うなるアンドラック》・《アヌーリッドの濁り水潜り》

黛慎一(緑黒):《うなるアンドラック/Snarling Undorak
真木のピック:《とどろく蹄音/Thunder of Hooves》・《頓着無き者/Heedless One

Randy Rosales(赤白):《星の嵐/Starstorm
真木のピック:《金切り声のノスリ/Screeching Buzzard

 「黒除去がまったく出なかったから、タッチ赤するしかないかなー。とフラっと浮気してみた感じかな。」
 
 と語る真木は、このパックで《テフラダーム》に《陽光の突風》...と赤いカード戦列に加えていくことを選択した。なにせ、《虫つぶし/Swat》が一枚だけ出たものの...《残酷な蘇生/Cruel Revival》などは一枚も登場していないのだから。

 ちなみに、Kai Buddeはまんまと流れてきた《沈黙の死霊》や《宿命のネクロマンサー/Doomed Necromancer》、そして自パックから《壊疽の大巨人》...とレアっぷりを発揮した王様ドラフトを展開してみせている。2枚の《陰謀団の執政官/Cabal Archon》、3枚の《腐敗を導く者/Shepherd of Rot》...といったカードも布陣に加わっており、かなり堅実な緑黒をいち早く完成させたと言えるだろう。真木としては《アヌーリッドの濁り水潜り》がミラーマッチで火を噴くことに期待したい。

3rd Pack

1) Randy Rosales(赤白):《エイヴンの兵団長/Aven Brigadier
真木のピック:《ワイアウッドのエルフ》・《ただれたゴブリン》

2) 黛慎一(緑黒):《溶岩使いの技/Lavamancer's Skill
真木のピック:《針刺の殴り獣》・《ワイアウッドの伝令/Wirewood Herald

3) Steve Wolfman(青赤):《めった切り/Slice and Dice
真木のピック:《ワイアウッドの野人/Wirewood Savage》・《エイヴンの賢人/Sage Aven

4) Yuval Shachaf(赤白):《疾風衣の侵略者/Gustcloak Harrier
真木のピック:《共生するエルフ/Symbiotic Elf》・《エルフの開拓者/Elvish Pioneer

5) Kai Budde(緑黒):《残酷な蘇生/Cruel Revival
真木のピック:《ワイアウッドの野人/Wirewood Savage》・ゴミ

6) Eli Kassis(赤白):《疾風衣の侵略者》
真木のピック:《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》・《精力の冠/Crown of Vigor

7) 真木孝一郎(緑黒):《毒吐きゴルナ/Spitting Gourna
ファーストピック時の他候補:《憑依された死者/Haunted Cadaver

8) Ken Krouner(青赤):《激浪の多相の戦士/Riptide Shapeshifter
真木のピック:《ワイアウッドの伝令》・《総帥の召集/Patriarch's Bidding

 それにしても、真木には黒除去をとれるタイミングがまったくまわってこない。ただ、開き直ったビーストデッキにならざるを得ない内容になりつつあるときに2枚の《ワイアウッドの野人/Wirewood Savage》をピックできたのが救いと言えるだろうか。

 「正直、卓の緑が3人とも(真木・黛・Budde)黒を2色目に選んでるから...必要な構成要素がカブりまくっちゃったんだよね。というか、途中までテラー出てないし、《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》なんて結局でないまんまだったしね」

たしかに、真木の語るようにカードの出現率はかなり偏っていたといえるだろう。赤青がどうしても欲しかった《溶岩使いの技/Lavamancer's Skill》は3パック目終盤までまったく出現しなかったし、2枚出たうちの片方は黛が巧みにカットしているわけで、プロツアー・ボストンで準優勝を飾った Wolfman といえど、苦戦を余儀なくされそうである。そう、プレイヤーは概ね協調路線だったのだが、いかんせんパックの中身が極端すぎた。

「...本来的には2-2なデッキなんだろうけど、これで3-1したいとこやね」

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