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ラウンド 13: Anton Jonsson vs. Jens Thoren

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親友同士が拳をまじえるとき
 スウェーデン勢同士のミラーマッチがオデッセイブロック構築の緒戦にフューチャーされた。ともに今シーズンだけでプロツアー・トップ 8 入賞を二度ずつ果たしている強豪中の強豪同士である。ちなみに、Anton Jonsson が今年度スウェーデンのナショナルチャンピオンとして、"Broken Jens" がプロスタンディングによってこの世界選手権への参加権を勝ち取っている。

 Jonsson と Thoren がともに調整してきたデッキ。それは白単色ビートダウンに青いアドバンテージカードを組み合わせたものだった。《不屈の部族/Tireless Tribe》、《陽光尾の鷹/Suntail Hawk》からはじまる軽めのマナカーブを描く典型的なウィニー型テンポデッキであり、当然のごとく《聖餐式/Divine Sacrament》が打撃力をブーストするわけだ。《物静かな思索/Quiet Speculation》、《打開/Breakthrough》、《綿密な分析/Deep Analysis》といったカードたちが高速でのスレッショルドを助長し、テンポデッキにありがちなカードアドバンテージ面での息切れを防いでくれるわけでもある。

ともあれ、お互いがサイドボードの最後の一枚までを知り尽くした間柄であり、それだけに実にリラックスした雰囲気での対戦となった。少なくとも、隣の席には鬼気迫る表情の Raphael Levyが控えているとは思えない。まあ、そうはいっても Thoren は相変わらずの鉄面皮であり、Jonsson が一方的にまくしたてていただけなのかもしれないが。

Game 1

'Broken Jens'こと Jen Thoren
 殴りあうクリーチャーはお互いに白単色。したがって、《十字軍/Crusade》もとい《聖餐式》は完全な無駄カード。お互いに《敬愛される司祭/Beloved Chaplain》や《金切るときの声/Battle Screech》からのトークンといった回避能力をもったダメージソースをいかに展開するかがキーとなる。案の定、《不屈の部族/Tireless Tribe》、《巡視犬/Patrol Hound》といった地上クリーチャーたちは膠着状態。Thoren も Jonsson も《部族》や《犬》のからむ最序盤の攻防では《聖餐式》をまっさきにディスカードしていたのが印象的だった。
 
 しかし、周囲の期待をよそに勝敗はあっさりと決まってしまうこととなる。そう、"Broken Jens"がマナ事故を起こしてしまったのだ。さしもの Thoren も 2 マナでストップしてしまっては策の講じようもない。《綿密な分析》、《打開》の連発から《敬愛される司祭》 2 体と《陽光尾の鷹》2 体を召喚されしまい、ここでゲームエンド。

 はしゃぐ Jonsson 、黙々とデッキを片付ける Thoren 。親友同士といわれる彼らだが、どうやらその性格はだいぶことなったものであるようだ。 

Anton Jonsson leads 1-0

Game 2

 先勝されてしまった Thoren、今度は順調なたちあがりを迎える。《陽光尾の鷹》が小さいながらもダメージクロックとして確実に機能し、早々と引き当てたサイドボードカードである《真理の領域/Sphere of Truth》が Jonsson の序盤のダメージ源をすべてシャットアウトしていたからだ。お互いの《栄光/Glory》が相打ちし、つまりはお互いが「プロテクション:白」をつけてのノーガードでの殴りあいをよしとすることになったわけだったが、お互いにその後の決定打にかけるような展開であった。そう、静かに《鷹》だけが時を刻んだのだ。

 現状の優位をさらに確固たるものとしたい"Broken Jens"は、ここで《直観/Intuition》ならぬ《物静かな思索/Quiet Speculation》をキャスト。《金切るときの声》、《ねじれの光/Ray of Distortion》、《綿密な分析》という 3 枚のカードを墓地に送り込んだ。もちろん、《ときの声》が戦線拡大のため、《光》は Jonsson のサイドボードにもひそんでいる《真理の領域》に対抗するため、《分析》は単純にドローの加速だ。

スウェーデン王者、Anton Jonsson
 しかし、ここからの Jonsson のドローがまた見事だった。Thoren が墓地から放った《ときの声》を《被覆/Envelop》でカウンターするや、ここから連続して《綿密な分析》、《ねじれの光》とトップデッキ。《領域》のために無力な存在と化していたクリーチャーたちに大号令をかけたのだった。...もちろん、墓地の《栄光/Glory》が睨みをきかせている以上「すべてのクリーチャーはブロックされない」というルールが適用されているようなものである。

 一転して攻勢に出た Jonsson。面白いように《綿密な分析》や《打開》といったカードを連発。手札に《被覆/Envelop》をためこみ、《金切るときの声》や《陽光尾の鷹》を展開していったのだった。

 苦しい Thoren。
二度目の《物静かな思索/Quiet Speculation》から《虹色の断片/Prismatic Strands》を墓地に送り込んで、つまりは実質的 3 回分の《濃霧/Fog》によって時間稼ぎを試みたのだが...その追加ドローがすべてマナソースという結果に終わってしまったのだった。

一般的に考えて、いくら押しているとはいっても手札のクリーチャーをすべて展開してしまうという行為のリスクはとてつもなく大きい。《神の怒り/Wrath of God》のようなマス・デストラクションを考えると、いくらかはリソースを温存するのが妥当なところだろう。しかし、Anton Jonsson は Jens Thoren のデッキの《カーターの怒り/Kirtar's Wrath》が入っていないことを知っていたのである。

デッキリストを参照すれば一目瞭然の、ほぼ完全なミラーマッチ。しかも、プレイヤーの技量に優劣がつけられないというのであれば...やはりツモゲーになってしまうのは仕方がないことだろうか。ともあれ、Jonsson が親友との対決を飾った。

Final Result:Anton Jonsson wins 2-0

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