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団体戦決勝: ドイツ vs アメリカ

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Champion 対決
 「今年のアメリカはどうしちゃったのよ」

 三日目の個人戦が終わった段階で誰もがそう思ったに違いない。アメリカチームの三人を除いて。マジック発祥の地であるアメリカが世界選手権にかける意気込みには物凄いものがある。日本の国技が相撲であるように、マジックはアメリカのもの、そんな想いと熱情と執念のアンサンブル。彼等は四日目のチーム戦で奇跡の復活劇

Game 1

Kai Budde vs. Eugene Harvey

 Budde が典型的な白青コントロールデッキ、Eugene がアグレッシブな赤緑デッキをという対決。その立ち上がり、Eugene はベストともいえる《野生の雑種犬/Wild Mongrel(OD)》から。だが、これにはすぐに《監獄鎧/Cagemail(JU)》が。ほぼ無敵のブロッカーが誕生するが、白青相手に地上のブロック要員が誕生しても何がしたいのやら。

 だが、Eugene の攻勢は全く止まらない。続けて《鋼胴の甲虫/Ironshell Beetle(JU)》、《鋼胴の甲虫/Ironshell Beetle(JU)》、《空に射るもの/Skyshooter(OD)》と続けながら、相手の《防衛魔道士の代言者/Shieldmage Advocate(JU)》には秒で《癇しゃく/Fiery Temper(TO)》を、《ティーロの先兵/Teroh's Vanguard(TO)》が出れば《筋力急伸/Muscle Burst(OD)》を、《鏡の壁/Mirror Wall(JU)》が出れば《無謀なる突進/Reckless Charge(OD)》を表裏で、瞬く間に Kai のライフを梳っていく。

 だが、《秘儀の教示/Arcane Teachings(JU)》が《浮揚盾/Floating Shield(TO)》により破壊されたところで一端脚が止まる。Kai のライフは 4。

 そこから《栄光/Glory(JU)》《エイヴンの煙の紡ぎ手/Aven Smokeweaver(OD)》《国境巡回兵/Border Patrol(JU)》と止める固める殴る蹴る。

 気が付けば、Eugene のライフが 8 。

 だが、ここで再び Eugene に待望のカードが手に入る。それは《沼/Swamp》。

 《怪奇な混種/Grotesque Hybrid(TO)》!

 白に対して圧倒的な圧力を誇る異世界の怪物。だが、その怪物も現実の怪物、Budde の前には赤子扱いされてしまうものなのか。

 射るもの、に守られながら空からこの怪物が襲いかかると、全く動じずに《追い返し/Repel(OD)》。更に Eugene のライフを 5 へと削る。

 再び怪物が産声を。だが、Kai は無理矢理、浮遊盾を使用すると栄光にこれを装着し、混種でのブロックを半ば強制する。他に選択肢の無い Eugene は、仕方なくただ一枚の手札を捨て、怪奇を宙に浮かしてこれにぶつける。

 栄光が墓地で唸りを上げ起動し始める。

 祈るような Eugene が引いたカードが《鋭い痛み/Flaring Pain(JU)》、違う局面で引いたのならまだ使い道もあったのだが、この局面では。

 なにかしら相手のミスをと、不可解な攻撃を行ってみるも、散々悩んだ Kai が特に問題無しと判断し、至極普通にブロックアサインをされたところで投了する。

 Kai 1 - Eugene 0

Game 2

個人戦決勝にも進出している Mark Zeigner
 個人戦でも決勝進出を既に決め、乗りまくり俺時代到来の Ziegner, Mark が既に Ranks, Andrew を破りドイツチームへ貴重な先制点を。逆にもう一つの卓では、Franz, Eric が Schneiders, Felix を相手にマッチを取り返している。

 今年度最優秀国となるのは、はたして。全てがこの一戦にかかっている。

 Eugene の《鋼胴の甲虫/Ironshell Beetle(JU)》に Kai が《幻影の遊牧の民/Phantom Nomad(JU)》を合わせれば、Eugene は一瞬考えたのち、ていやと《秘儀の教示/Arcane Teachings(JU)》でしゃにむに強化。Kai がこれをどう対処するかと見守ると、監獄鎧...。Eugene の場に巨大な固定砲台が残ってしまう。

 《地図作り/Cartographer(EX)》、《パーディック山の長槍使い/Pardic Lancer(TO)》が Eugene 側に、《天使の壁/Angelic Wall(OD)》、紡ぎ手が Kai 側に加わる。

 この天使の壁が《筋力急伸/Muscle Burst(OD)》で倒れるが、Kai は《アクアミーバ/Aquamoeba(TO)》を補充しながら、地図作りを紡ぎ手で殺めながら、甲虫に備えられた砲台が向けられると《無視/Pay No Heed(TO)》で空かす。

 更に、長槍使いにまで監獄鎧がつけれれ、巡回兵が現れると地上は異様なまでにがちがちの防備っぷり。その隙に空からは紡ぎ手がちょっと赤毛の入る Eugene の頭を、甲虫砲は Kai を狙う。

 だが、ダメージレースで先攻されている Eugene は何かを引かねばならない。二点と一点のクロックではどこをどう頑張ろうが追いつける道理が無いではないか。

 うりゃ! 雑種犬を見事引き当てる。これでなんとか。これまで引きの悪かった事が幸いし、手札にはカードがたまっている。まずは巡回兵の防御網を。

 更に Eugene の引きが加速する。引いてきたカードは《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla(TO)》。最早、パンプに憂いなし。今、発進!

 立ちはだかる巡回兵に遅いかかるは、捨てる気満々の猛犬。

 一枚、二枚、三枚、ワラがぴょこん。ちょっと驚きの表情を浮かべる Kai 。合わせて甲虫がゆっくりと能力を起動する。

 その時。アクアミーバがぐぬりと変形する。そのエナジーの素となったのが、

 栄光。再び。

皇帝 Kai Budde
 墓地へたどり着くと同時に沸き起こる光が Kai の生物を包み始める。だが、重なりあう攻防に新たな一枚が。先ほどは機会を得ずに終わったあのカード、二つのマナの力を得て、場の空間を変容させていく。

 《鋭い痛み/Flaring Pain(JU)》

 おぉ、そんな技が。ある種ちょっと満足げな笑みを浮かべる Kai 。
 得物の歯応えを楽しむ猟師のように。

 では、こちらも少しだけその一端を見せてやろうか。どこか、そんな気配を感じさせながら七つの土地をタップしていく。ゆっくりと。

 《天罰の天使/Angel of Retribution(TO)》!

 対空に踊り出し巨大な天使。その姿は Eugene を絶望させるに十分であった。次のカードを見た彼は、悔しそうに、寂しそうに様々な想いを噛み締めながら、そっと手を差し出した。

 2002 年世界選手権を制したのはドイツ。

 Congratulation !

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